来店率の計算方法とは?割合を知って入りやすいお店作りを目指そう

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顧客の来店数は、飲食店やアパレルショップなどの店舗経営において売り上げを左右する数字の一つです。来店数を増やすために行った施策がどのくらい効果があったのか把握できなければ、施策が正しかったかの判断が難しいですよね。そこで知っておきたいのが「来店率」という指標です。来店率を計算できれば、実施した施策が集客に繋がっているか分析できるようになります。

今回は来店率の算出方法、計算に必要な数値の集め方、さらに、来店率を計算する事で得られるメリットを紹介します。

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来店率を求める計算方法とは?

来店率を計算する前に、計算に必要な来店客数と店舗前通行量を簡単に定義しましょう。

来店客数:実際に店舗に入った顧客の人数

店舗前通行量:店舗の前を通った歩行者の人数

この2つの数値があれば、あとは簡単な数学の知識で来客率を計算できるので、まずはその計算方法を確認しましょう。

来店率(%)=来店客数÷店舗前通行量

来店率を求めるには上記の数式に数値を当てはめて計算してください。
例えば、あるアパレル店における1日の来店客数が20人で店舗前通行量は100人だった場合、

20% = 20 ÷ 100

このようの計算式に当てはめて割合を求めると来店率は20%であるとわかります。

測定に必要な数値の集め方

CREATOR: gd-jpeg v1.0 (using IJG JPEG v62), quality = 100

来店率を求めるために必要な来店客数と店舗前通行量の計測方法を解説します。それぞれの計測手段を、店舗の規模や通信環境などに応じて使い分けましょう。

来店客数の集計方法

はじめに、来店客数の集計方法を説明します。
来店客数を計測するには、入店カウンターやピープルカウンターを使用します。

入店カウンターは、店舗の出入口付近に設置したセンサーで顧客の入店数を計測するシステムです。ピープルカウンターは、天井に設置したカメラ・センサーで店舗内における顧客の滞留・通過状況などを計測するシステムです。

なお、来店客数の測定において、レジの通過人数を計測しないように注意しましょう。レジの通過人数は「購入客数」に絞られるため、来店率の計算には使いません。
来店率を出すためには、正確な来店客数が計測できる仕組みを導入しましょう。

店舗前通行量の集計方法

次に、店舗前通行量の集計方法を説明します。店舗前通行量を測る手段としては以下の例が挙げられます。

人による計測

人を店舗の前に配置してカウンターなどを利用し、手動で計測する方法です。
人数が確保できないと計測する日や時間が限定され、正確なデータを出せない場合があります。

GPSによる計測

スマートフォン・携帯電話端末のGPS位置情報によって人の位置をシステムで把握し、通行量を計測する方法です。
正確に測ることは難しく、人数の把握は大まかになりますが、人員は不要で自動測定できる点が強みです。
悪天候時や屋内・地下店舗ではGPS信号が弱く計測できない、もしくは測位に時間がかかる場合もあるため、注意が必要です。

カメラによる計測

カメラ画像から識別処理などをおこなうことにより、歩行者数を計測する手法です。
こちらも人員をかける必要はないのがメリットです。
店舗に既存の防犯カメラなどがあれば、そのまま利用可能。
測定用に新規で設置する場合は、設置場所・計測時間・把握のためのシステム構築について、事前に考慮してから設置する必要があります。

上記の方法などから各店舗の予算や事情を考慮のうえ、店舗前通行量を計測するとよいでしょう。

来店率を計算する事で得られるメリット

来店率の計算ができれば、店舗にとってさまざまなメリットが得られます。来店率を計算したときに店舗が得られる具体的なメリットを3つ、確認しておきましょう。

メリット1:ディスプレイの変更頻度を決めやすい

来店率の計算によって得られるメリットとしてまず挙げられるのは、店頭告知やディスプレイの変更頻度が決めやすいことです。
例えば、店頭告知やディスプレイの変更といった各集客行動の前後で来店客数などを計測し、来店率を割り出して分析・比較をおこなえば、ディスプレイ変更の効果が確認でき、どのような店頭告知の集客効果が高いかを判断できるでしょう。

メリット2:デザインやレイアウトの印象を分析できる

来店率を計算して店舗が得られるメリットは、どのようなレイアウトやディスプレイが顧客に良い印象を与えられるかを分析できることです。

例えばアパレル店舗において店舗のレイアウト候補をいくつか出して、どれを採用するかの判断を必要とする場合、一番来店率の高いレイアウトが「顧客が一番反応するレイアウトである」とすれば自社への説得力も増し、納得感の高い決定ができるでしょう。

その他にも店舗前に設置するメニューディスプレイ候補がいくつある場合、それぞれの来店率を比較して一番効果が高かったメニューディスプレイを設定するという活用方法もあります。さらに、来客率のデータがあれば効果が低かったディスプレイの改善を行う場合にも役立ちます。

メリット3:顧客の目を引いた商品が分かる

来店率の計算や分析をおこなうと、どの商品が顧客の目を引いたかが把握できるのもメリットです。
例えば、アパレル店舗前を歩く顧客にとって、一番目を引くショーウィンドウがあるとしましょう。店舗の目玉商品をいくつか選び、商品ごとに期間を区切ってショーウィンドウに設置して来店客数を測定します。来店客数が測定し商品ごとに来店率の計算と比較をおこなうと、どの商品が一番顧客の目を引いて来店に結びつけたかを特定できるでしょう。
また、実際に来客率が良かった商品についてその理由や商品に反応した顧客の特性を分析することで、会社の今後のコンセプトや目標を定めやすくなります。

まとめ:来店率を計算して適切な施策で集客アップ

来店率を計算して分析をおこなうと「お客様が店に入りたくなる」魅力的な店舗レイアウトやディスプレイが見えてきます。また、どの商品を目玉にして売り出せば顧客を店内に誘い込めたかなどがわかるようになり、集客の効率アップやリピート客の増加にも繋がるでしょう。
店集客数が増えれば、その分買上げ点数や単価が上がり売上アップの可能性も高まります。
まずは、来店率を計算するために必要な数値を集めることから始めてみてはいかがでしょうか?

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タグ : データ分析 顧客分析
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