リアル店舗の強みを活かそう!消費者が感じる価値観を解説します

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インターネットやスマートフォンの普及により、ECサイトでのオンラインショッピングが一般化しつつあります。リアル店舗を展開している企業でもECサイトの併用が当たり前になってきました。

一方で、リアル店舗の売上は下がりつつあるのが現状です。売上低迷に悩む経営者も多く、リアル店舗の存在意義は何かを見失うこともあるのではないでしょうか。しかし、リアル店舗にはECサイトには代えがたい利用価値があります。

この記事では消費者がリアル店舗に求める価値、リアル店舗の今後の展望について解説していきます。

リアル店舗にはECサイトには無い強みがある

 

「ECサイト(Electronic Commerce:電子商取引)」とはインターネットで商品を販売するウェブサイトです。ECサイト最大の特徴は場所を選ばず好きなときに商品を購入できることでしょう。
「リアル店舗」は「実店舗」と同義です。店舗に足を運んだ消費者に対して販売員が商品説明や接客販売、サービスの提供などをおこないます。商品やサービスの魅力を直接消費者に伝えられることがメリットですが、店舗を運営するためのスタッフが必要なため、営業時間に制限があります。

小売業では現状、手軽さや社会情勢などから見るとECサイトでの販売が活発ですが、リアル店舗にはECサイトにない強みがあります。
リアル店舗では、消費者は商品を実際に「体験」して店員との「コミュニケーション」を通して納得のいく買い物ができ、店舗側も商品の魅力を直接伝えられる、消費者の声を戦略に生かせるなど、両者にメリットがあります。

消費者が感じる「リアル店舗の強み」とは?

 

消費者が「やっぱり店舗に足を運びたい」と感じるのはどういうときなのでしょうか。リアル店舗の強みを5つに分けて、消費者の立場でみていきましょう。

リアル店舗の強み1:商品を実際に手に取って体験できる

商品を試してみたい場合はリアル店舗を利用する消費者が多いでしょう。
消費者が実際に商品を手に取って試着する、味わうなど、五感をフル活用した体験を通じて直接魅力を感じられるのはリアル店舗でしか得られない強みです。オンラインで商品を購入するときのように「想像していたものと違った」というギャップが少なくなるので、消費者は本当に必要な商品やサービスを精査できます。

リアル店舗の強み2:思いがけない商品に出会える

リアル店舗では「想定外の商品に出会える」というメリットもあります。
店舗内でさまざまな商品を見て魅力を感じ、その場で購入を決めるという行動で消費者は「楽しさ」や「満足感」を感じるのです。
消費者にとってリアル店舗は、非計画購買によって自分好みの商品を探すのと同時に、思いがけない商品との出会いを楽しめる場所だといえるでしょう。
ちなみに、企業側から見ても欲しい商品が具体的に決まっている「計画購買」より、欲しい商品がまだ決まっていない曖昧な状態で店内を巡る「非計画購買」のほうが突発的な商品購入に結びつきやすく、店舗の売上増加につながる傾向があります。

リアル店舗の強み3:欲しいときにすぐに商品が手に入る

ECサイトはいつでも注文できる反面、商品の到着に日時を要します。しかしリアル店舗に出向けば、欲しい商品をその場で手に入れられます。すぐに必要な商品を購入したいという消費者ニーズに応えるためにはリアル店舗の存在は不可欠です。

リアル店舗の強み4:返品・交換などのサービスが受けやすい

ECサイトでは、返品・交換にも手間や時間がかかります。返送時に送料などがかかってしまう場合も多いです。しかしリアル店舗で商品を購入したときは、レシートや領収書などがあれば、時間もかからず比較的簡単に返品・交換サービスを利用できます。返品・交換対応がスムーズで、消費者にとって商品購入のハードルが低い点もリアル店舗の強みといえるでしょう。

リアル店舗の強み5:対人サービスによるメリットを大きく感じられる

消費者が直接店員のサービスを受けたいときや説明などを聞きたいときにも、リアル店舗のほうが便利です。店員と話すことで安心感を得る、商品購入への後押しをもらうなど、リアル店舗において消費者が対人サービスを必要とする場面は多々あります。
店員の説明によって気づかなかったポイントがわかると、消費者はその商品やサービスが本当に必要かどうかを判断して購入できるようになります。コミュニケーションを積み重ねるうちに、消費者は「この人から買いたい」と店員に対して信頼を寄せるようになるでしょう。

リアル店舗の立場を揺るがしている原因とは?


消費者に「体験」を促すリアル店舗ですが売上は年々減少傾向にあります。リアル店舗の存在意義は確かにありますが、その存在を脅かす原因は何かを解説していきます。

スマートデバイスの普及

ECサイト市場の拡大には、スマートフォンやタブレットなどスマートデバイスの普及が大きな影響を与えています。持ち運びが容易なこれらのガジェットを使うことで、いつどこにいても品物を探せて、消費者が望むタイミングで商品の購入ができるシステムが生まれたのです。また、ECサイトは口コミ評価も参考にできるなど消費者の求める情報が多く、価格の比較も簡単でより安価な商品を購入しやすいです。ECサイト市場が拡大し続け、リアル店舗は押し負けているのが現状です。

ショールーミング

消費者がリアル店舗を訪れて商品の素材やサイズ感など気になっていた点を実際に確認し、ネットショップで商品を購入する消費行動を「ショールーミング」といいます。リアル店舗は商品購入の場ではなく単に「ショールーム」として利用されています。リアル店舗で商品を確認した消費者は、最安値のECサイトで購入するため、リアル店舗での売上につながりません。

新型コロナウイルスの流行

新型コロナウイルスの流行により、2020年以後の行動様式は大きく変化しました。外出自粛や在宅勤務などにより、外に出るきっかけが減少しました。感染リスクを回避しようという消費者心理からECサイトの利用がますます拡大し、リアル店舗の経営は厳しくなることが予想されます。

O2O(online to offline)でデメリットを補おう

リアル店舗は営業時間が限定的であり、感染症対策として人との接触を避けたい状況下において、売上が伸び悩み気味です。しかし「実物に触ってみたいからリアル店舗に行きたい」「配送を待っていられないから、リアル店舗へ買いに行こう」と思う消費者もいるように、リアル店舗には、ECサイトでは太刀打ちできない「体験」を提供できる強みがあります。

ここではリアル店舗のデメリットを補い、メリットを強化して売上促進につなげるために効果的なO2Oについて解説します。

O2Oとは?

「O2O(Online to Offline)」とは、消費者に対してオンライン(ECサイトなど)からオフライン(リアル店舗)での行動を促す施策です。

例えば、リアル店舗に入店するとオンラインポイントが貯まるシステムを導入する、ECサイトで注文した商品の購入・受取をリアル店舗でおこなえるようにするなど、オンライン情報をリンクさせてリアル店舗への来店を促します。

ECサイトとリアル店舗を紐づけして、ネット世代の消費者にも足を運んでもらいやすくするのが狙いです。

まとめ:ネット・リアルの強みを生かして変革を!

リアル店舗とECサイトにはそれぞれメリット・デメリットがあります。時代の流れとともに、ECサイトでの購入はますます便利になるでしょう。一方で、リアル店舗の価値も再認識されつつあります。ECサイト大手のAmazonが、リアル店舗分野にも力を入れています。

今後は、消費者のニーズを受け入れ、どう変革していくかが求められるでしょう。これまでリアル店舗でおこなってきた販売方法の強みとECサイトのメリットを生かし、消費者へ効果的なアプローチをしていきましょう。

商圏分析で市場を把握。新規出店の調査がスムーズに。

タグ : 店舗
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