小売店舗の分析は3つのKPIで攻略できる!分析方法や流れを解説

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「小売の自店舗を分析したいけど、効果のある分析方法がわからない」と悩む方は少なくありません。店舗分析はさまざまな企業がおこなっていますが、実際何のためにするのか、どのデータを使えばよいのかという疑問もあるでしょう。

小売分析を経営パフォーマンスの向上につなげるには、明確な目的を持って分析に取り組む必要があります。

今回は、データ分析の重要性や重要な3つの指数、分析の手順などについて解説します。記事の内容を参考に、的確な小売店分析をおこないましょう。

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小売店舗のパフォーマンス向上にはデータ分析が欠かせない


小売店舗の収益・売上目標を達成するためにはデータ分析が不可欠です。現状を把握し、課題を発見することで、効果的な戦略や施策を立てられます。
企業によって収益・売上目標の立て方は異なりますが、共通しているのは継続的な収益の拡大。財務状況によっては事業の継続や拡大、利益の確保などを目標とする場合もあります。

中小企業や新規事業の場合、事業を継続するために売上を増やしたい、事業拡大を重視したいというケースもあるでしょう。また、人件費や事業投資のために、利益を確保する必要があるかもしれません。

これらの目標達成に向けて来店客数や客単価・購買率などのデータを分析していけば、課題と傾向を把握することで効果的な施策を打ち出せるでしょう。

小売店舗におけるデータ分析は3つのKPIがポイント

小売店舗で効果的なデータ分析をおこなうには、売上にかかわる3つの重要な「KPI(Key Performance Indicators:重要業績評価指標)」を活用する必要があります。
売上にかかわる重要なKPIとは、次の3つです。

  • 来店客数
  • 購買率
  • 平均客単価

KPIは目標達成を測る重要な指標であり、組織のパフォーマンスを定量的に評価するための指標です。

ここで、それぞれの指標について詳しく解説します。

小売データ分析のKPI 1:来店客数

来店客数は、店舗に訪れた顧客の数を示す重要なKPIです。
売上と密接に関連しており、店舗の集客力やマーケティング施策の効果を測るために重要なデータといえます。

ただし、POSレジでカウントされたデータは商品を購入した顧客数のみとなるため、全来店客の数値を得るには、来店カウンター(トラフィックカウンター、ピープルカウンターなど)を使用した計測が必要です。

また、来店客数は天候などに左右されやすいため、定期的にデータを収集・分析して需要のトレンドや季節性の影響を把握した上で、適切な対策を講じることがポイントです。

小売データ分析のKPI 2:購買率

購買率は、店舗を訪れた顧客のうち実際に商品を購入した人数の割合を示すKPIです。購買率は、顧客の購買行動を分析する上で役立ちます。

購買率=購買客数÷来店客数

購買率を向上させるには、顧客の来店回数を増加させて購買機会につなげることがポイントです。また、魅力的な商品陳列や販促施策、効果的なセールスプロモーションなどが欠かせません。

さらに、来店客数が多くても購買率が低い場合は、従業員の販売スキルを高めたり、購入しやすい店内動線を作ったりなど接客や店舗環境の改善が必要となります。

小売データ分析のKPI 3:平均客単価

平均客単価は、顧客一人が一度の購買(取引)で支払う平均額を示すKPIです。売上目標に到達させるために重要なデータであり、顧客の購買行動や売上の動向を把握する上で役立ちます。

平均客単価=店舗売上額÷購買客数(取引回数)

平均客単価を上げるには従業員の販売力や接客スキルを高めるほか、クロスセルも有効な施策です。関連商品やセット商品を提案し、特典を設けることで顧客の購買額を増やせるでしょう。

ただし、季節やキャンペーンなどによって売れ筋商品が変わるため、平均客単価が一定であるとは限りません。定期的にデータ収集と分析をおこない、動向を把握しながら施策を展開することが重要です。

小売店舗でデータ分析をおこなう流れ

データ分析は、以下の手順でおこないます。

  1. 目標と仮説の設定
  2. 分析方法を決定し、データを収集する
  3. データを分析し、課題や解決方法を考える

それぞれのステップにおけるポイントを解説しますので、分析時の参考にしてください。

ステップ1:目標と仮説の設定

小売店舗におけるデータ分析では、最初に目標と仮説を設定することが重要です。
目標とは、分析を通じて達成したい結果や改善したい課題です。

企業の現状によって目的はことなるため、まずは社内でどんな課題や改善点が挙げられているのかをよく精査しましょう。情報をまとめたら売上の増加や顧客獲得の改善など、具体的な目標を定めてください。

目標を定めたら、その目標に向けた仮説を立てましょう。仮説を立てることで、分析の方向性や重点的に集めるべきデータを明確にし、マーケティング活動の効率化につながります。

ステップ2:分析方法を決定し、データを収集する

目標と仮説を設定した後は、目標に合わせて分析方法を選びます。
代表的なものとしては、ABC分析やクラスター分析、アソシエーション分析などが挙げられますが、それぞれ得られるデータが異なるため、自店舗のKPIを達成するのに適した分析手法を選ぶことが大切です。

  • ABC分析(重点分析)
指標の中から重視するポイントを決めて、ランクづけして管理する手法
  • クラスター分析
さまざまなデータが混在する中から性質が似ているものを集めて、クラスター化(グループ分け)する手法
  • アソシエーション分析
大量のデータから商品同士の関連性を分析する手法

分析方法を決めたら購買データや顧客情報・顧客アンケートなどを通して、分析に必要なデータを集めましょう。

ステップ3:データを分析し、課題や解決方法を考える

準備が整ったら収集したデータを分析し、分析結果から課題や解決方法を考えます。

まずはデータ分析の結果を基に、課題を洗い出しましょう。来店客数の減少や客単価の低下など、店舗の売上に影響を及ぼす要因を特定します。

課題が特定できたら、浮かび上がった課題を解決する方法を考えます。
来店客数の減少が課題の場合、解決策として考えられる方法には、集客施策や顧客獲得のための広告活動などがあります。客単価の低下が課題であれば、商品のバリエーションや価格設定の見直しなどが考えられます。顧客の購買意欲を高める施策を検討しましょう。

結果から課題の解決方法を考えることで、店舗の売上アップにつながります。

多角的な視点が小売店舗分析のカギ

小売店舗の分析では「店舗・顧客・商品」という3つの視点でデータ分析をおこない、多角的に分析することが重要です。

まず店舗の視点に立って来店客数や客単価・購買率などのデータを分析し、次に顧客の視点で属性や購買履歴などを分析します。
最後に、商品の視点から売れ筋商品や在庫状況、陳列方法などを分析して課題を特定し、適切な対策を立てましょう。

小売店舗の分析では多角的な視点からデータを分析することで、売上向上につながる施策を発見できます。

データ分析の結果を、視覚化・レポート化するのも効果が高い

分析したデータはGISツールを使って視覚化し統計データと照らし合わせてレポート化することがおすすめです。GISツールを使うとデータや統計情報を地図上に出力できるため、データの相関関係や空間的なデータの傾向を把握しやすく、さらには売上予測をおこなうこともできます。

マップマーケティング株式会社の「TerraMapシリーズ」では、統計データを加味したレポート化、顧客情報との照らし合わせが可能です。

TerraMapシリーズは、こちらのページで紹介しています。

まとめ:データ分析のコツを押さえて売上向上を目指そう!

  • 小売店舗の目標達成において、データ分析は欠かせない要素
  • 効果的なデータ分析に重要なのは3つのKPI
  • データ分析は目標設定から分析結果の考察までがポイント

小売店舗で収益・売上目標を達成するためには、現状から課題を見つけるためのデータ分析が大切です。データ分析をおこなう際は、3つのKPI(来店客数・購買率・平均客単価)を活用することで、店舗のパフォーマンス向上に貢献しやすくなります。

実際の分析では、まず目標設定をおこない、仮説に合わせて分析手法を選択しましょう。分析結果をそのままにするのではなく、結果から課題を発見し、具体的な施策につなげることで初めて、分析が意味を成します。

今回の内容を参考にして、効果的に小売店舗のデータ分析をおこないましょう。

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タグ : 小売 店舗運営 顧客分析
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