【店舗の分析はお客様目線で】売上向上のための店舗の分析方法を解説
店舗分析とは、多角的・客観的な視点で自店舗を分析すること。この分析をおこなうことで、店舗の課題が明確になり、売り上げの拡大に効果的な施策を打ち出しやすくなるメリットが得られます。
しかし、「店舗分析の有用性を理解していてもノウハウがないから、分析できない」と悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
この記事では、店舗を分析する方法やその注意点、優先度などをわかりやすく解説しています。
目次
最優先すべき店舗分析は「売上分析」である
店舗分析とは、さまざまな角度から自店舗を分析して「この店はどんな店なのか」「今どういう状況なのか」を客観的に把握すること。この分析をおこなうことで、店舗が抱える課題を客観的に把握できるうえに、その後にとるべき戦略の方向性を定めやすくなります。
分析手法はいろいろありますが、まずは基本となる「売上」の分析が店舗分析の第一歩。売上を分析して、課題を把握したうえでさまざまな角度から店舗分析する方法がおすすめです。
分析を効率的におこなうポイント
具体的にどのように店舗分析を進めていくと効率が良くなるのでしょうか。
作業のポイントを確認していきましょう。
店舗分析のポイント1:売上に関わる用語を理解する
まず、売上分析をおこなうには、利益に関わる用語や客数や回転率などの基本用語を正しく理解しておく必要があります。とくに、利益に関わる用語は似たような響きが多く、意味を混同しがちです。使い慣れている用語でも、再度言葉の意味を確認しておくことで誤認や誤用を防げます。
例えば、「営業利益」「純利益」の違いをしっかり説明できるでしょうか。
「営業利益」とは、商品を販売する際にかかった人件費や光熱費、広告費などの販管費(販売費及び一般管理費)を売上高総利益から引いた利益のことです。
「純利益」とは、営業外収益や営業外費用、税金などを差し引いて、最終的に残った利益が純利益です。
このほかにも、人時生産性、労働生産性、新規店舗開業であれば原価償却資産など知っておくべき概念とそこから推測できる改善ポイントなどは多く存在しています。
言葉の意味を間違えた状態で他者と分析データを共有しようとすると、理解にズレが発生する危険性が高まります。
店舗分析のポイント2:店舗分析をおこなう目的を定める
店舗の分析は、
- 分析の目的
- 分析のもととなるデータ
上記2つの情報が欠かせません。しかしどのようなデータを取得すればいいかわからないですよね。
そのためにも、まずは店舗の課題をお客様目線で把握する必要があります。こうしたお客様目線の課題は、おのずと売上を上げるためのデータとなります。
例えば自店舗の商品について分析する場合、
- 新規のお客様が購入する商品は何か、またその価格帯や購入率はどのくらいか
- 商圏内のターゲット層がよく購入する商品と定番メニューの価格帯は合致しているか
- 同じお客様(リピート顧客)が同じ商品を購入しているか
- オススメ商品を購入する確率は高いか
- 新商品を案内したらどのくらいの確率で購入するのか
などさまざまな分析手法があります。
こういった分析をすることで、自店舗の現状把握、つまり店舗分析のきっかけとなります。そのため、目標を定めたら、まずは課題の把握とから始めてみましょう。
利益アップに役立つ3つの店舗分析手法
それでは実際に、店舗の利益アップに役立つ3つの店舗分析の手法を、具体的に見ていきましょう。
店舗分析手法その1:商品カテゴリー分析
購入者の視点に立ち、数ある商品の中から、どの商品が同じカテゴリーに入るのかを分析するのが商品カテゴリー分析。この分析により、どの商品をまとめて陳列すべきかを判断できるようになり、結果的に利益アップにつながる施策をおこなえます。
また、類似商品を近くに固めておけば、購入者が商品を見つけやすくなるだけでなく、複数の商品を比較検討できるので、購入に至る可能性が高まります。
店舗分析手法その2:アソシエーション分析
アソシエーション分析は、膨大な消費者の購買行動から、複数の商品のセット購入などの関係性を調べる分析手法の一つ。
例えば、コンビニなどでお弁当を購入する人が、お茶などの飲み物を一緒に購入するケースは多々ありますよね。つまり、お弁当売り場の近くに飲み物を陳列しておくと、セット購入される可能性がさらに高まります。
こうした、商品のカテゴリーを超えた複数の商品同士の関係性を押さえておくことはとても重要です。商品の個別売り上げランキングを見ただけでは予測できない、消費者のニーズをおさえた売り上げアップの施策を打てるからです。
店舗分析手法その3:購買ランキング分析
購買ランキング分析は、文字通り、売れた順に商品をランキング化する手法です。
売れた商品順に商品コードを並べ、数量、単価、売上金額なども記入します。その月に一番売れた商品を把握できるのはもちろん、日別、月別などで細かく集計することでシーズンごとに売れる商品や通年販売数が安定している商品などがわかり、仕入れや販売戦略を立てやすくなります。
また、多店舗展開している場合は売れ行き商品の地域差なども分析可能です。ランキング上位の商品が売れた理由をきちんと分析することで、地域や店舗ごとに適切な販売戦略を考えられます。
まとめ:店舗分析での客観視が有益な戦略を生む
店舗分析で得た客観的視点は、店舗にとって有益な戦略を生み出すのに欠かせません。
まずは「一体何のための分析なのか」を明確にして、店舗が抱える課題を分析していきましょう。分析結果を活かし、店舗ごとに適した販売戦略を考えてみましょう。