【立地評価の基本情報】評価項目や基準となる業態区別を解説します

店舗開発 , 立地分析
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店舗出店を考える際、開業予定地が店舗の業態に適しているか「立地評価」に基づいて判断するケースが多いでしょう。

しかし、立地評価は定量的なデータを必要とするうえに、データ集計に必要な項目も多くなってしまうため、難易度が高い評価/分析方法であり、データの理解に時間がかかることも。

そこで今回は、これから「立地評価」を学びたい人に向けて、
その定義や立地評価で用いられる主要な項目を解説していきます。

立地評価は「目的に合った立地」の判断基準

立地評価とは、「その立地を使いたい対象が要求する機能性」を持っているかを図ること。つまり、「その立地が、自分の開業する店舗の業種にふさわしいか」を判断します。

この立地評価をおこなうには、定量的なデータに基づいた判断が求められるため、項目を採点式で埋めていく方法が取られます。その際、土地の価格を出すための「土地価格比準法」が参考にされます。

※土地価格比準法
…不動産鑑定士などが、土地の鑑定評価をおこなう手法の一つであり、国や都道府県がおこなう「公示地価(一般に公表されている適正な価格)」や「基準地価(都道府県が判定した基準地1㎡当たりの価格)」に対して、評価する土地を比較する方法のことです。

立地評価の指針と基準となる業態区別


立地評価は「体系的な評価」が重要なため

  1. 商圏評価:地域の特性、来店客層の特性など
  2. 動線評価:ターゲット層が来店しやすい導線になっているか、競合店との位置関係など
  3. 地点評価:候補地が自社の出店基準(設備や広さなど)を満たしているかなど

の3つの順番に沿って算出していきます。

「商圏評価」が重要な業態

商圏評価が重要な業態は、

  • 顧客が目的を持って利用する店舗
  • テイクアウトなど店側が顧客を訪問する店舗

上記のような店舗が該当します。

例えば、あなたがクリーニング店を開業する開業候補地を探しているとします。
クリーニング店を利用する目的は、主婦が自宅で洗濯できないような物をクリーニングの専門家に任せるために利用したり、サラリーマンがストックしているワイシャツを時短のために洗濯代行として依頼したりなど、ターゲット層がある程度明確になっていますよね。

その場合、クリーニングを依頼したいターゲット層が多く居住しており、そのターゲット層となるお客様が来店しやすい距離で店舗を構えるのがセオリーであり、その際に調べるのが「商圏評価」です。

開業候補地を選定する際は、そのエリアにどのような属性の人が居住しているかなどを見極め、最大集客数がどれくらいかなどを評価項目の一つにしておきましょう。

「動線評価」が重要な業態

「動線評価」を重視すべき業態は、

  • 顧客の利用頻度が高い店舗
  • 飛び込み客の対応が多い店舗

などが該当します。コーヒーショップや牛丼チェーンなどをイメージするとわかりやすいでしょう。

例えば、駅や大型小売店、学校などの人が多く利用する施設への動線上は、通行人が多いですよね。
しかし、その通行人の導線上に自店舗より集客力の強い店舗が存在していた場合、その集客力を上回る強みが無い限り、完全に顧客を奪うのは難しいでしょう。
こうした人の移動を踏まえた動線上にある店舗は、多くの顧客を獲得できる可能性が高いのです。

「地点評価」が重要な業態

商圏範囲が限定されている店舗や、商圏内の利用者にリピート顧客が多い店舗などの場合、一つの項目に依存せず、評価のバランスが重要になります。

例えば、スーパー、ベーカリー、レンタルビデオ店などが該当します。これらの業態の場合、周囲の競合店などの商圏評価だけでなく、利用しやすい場所にあるか否かという動線評価も重要になってきます。

立地評価に使われる評価項目の一例


それでは、立地評価に使われる評価項目の一例を具体的に見ていきましょう。以下に紹介する項目はあくまで一部抜粋なので、実際にはさらに細かなデータで点数を算出します。

こちらでは代表的な評価項目をご紹介します。

評価項目例1:マーケットボリューム

「マーケットボリューム」は「商圏評価」項目の一つ。
任意の立地で該当業態の商売をするのに、適切な人口のボリュームがあるのか否かを判断する際に重要な指標です。

この項目は、基本商圏の人口数を基準に採点します。

評価項目例2:動線

「動線」は「動線評価」の項目です。
出店、または開業する店舗候補地が商圏内の主動線上にあるか、離れているかで採点をおこないます。評価する際は、ターゲットとする来店者の移動方法に合わせて、評価・分析しましょう。

もし通行客を来店させるためには、商圏内の主動線から見えるように、看板やのぼりなどで対策する必要があります。

車であれば、近くに駐車場があるか、どのように駐車場まで行けばよいかなども情報訴求すると来店する可能性が高くなるでしょう。

評価項目例3:前面通行量

「前面通行量」も「動線評価」の項目の一つ。この前面通行量の項目では、店舗前面において、歩行者や車の通行量を図って採点します。
採点する際は、店舗で最もピークとなる時間帯や曜日を基準に図ります。

評価項目例4:店舗坪数

「店舗坪数」は「地点評価」の項目の一つ。この店舗坪数の項目では、業態に合った面積が確保されているかを採点します。
基準値は、対象店舗の平均面積や、チェーン店である場合は本部となる店舗を想定数値とします。

まとめ:立地評価の基準を理解して立地の特徴を掴もう

「立地評価」はさまざまな項目から定量的なデータを用いて判断していくものであるため、馴染みのない用語も多く、最初はわかりにくいかもしれません。

まずはご紹介した「立地評価の概要」や「主要となる項目」を覚えてみてください。また、自分の開業したい店舗の業態を思い浮かべながら、その業態に大いに関係しそうな項目から深く掘り下げて学んでみましょう。

商圏分析で市場を把握。新規出店の調査がスムーズに。

タグ : 商圏分析 立地 立地評価
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