出店戦略ではデータに基づいて立地を選ぼう!役立つ4つのデータと活用方法

出店戦略 , 店舗開発 , 顧客・データ分析
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出店戦略を立てる中で「出店戦略ではどんなデータが使えるの?」「データはどうやって活用すればいいの?」と悩む方も多いでしょう。

出店戦略を成功させるには、勘や経験だけに頼るのではなく、データを活用して戦略を立てることが重要です。

今回は、出店戦略に役立つ4つのデータと活用例を中心に解説します。出店戦略で使うデータの種類や収集方法、分析に用いる流れを知りたい方は、ぜひ最後まで読んでください。

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出店戦略ではデータに基づいた立地選びが欠かせない


新規出店を成功させるには、感覚に頼るのではなく、データに基づいて立地を選ぶことが重要です。

理由として、次の2つが挙げられます。

  • 出店予定地域における競合店の有無、人口動態などを数値化することで潜在ニーズを客観的に把握するため
  • 売上予測を立て、損益分岐点を算出しておくと、出店に伴うリスクを最小限に抑えられるため

「立地7割」といわれるように売上の7割は立地で決まるため、見極めが必要です。出店戦略を成功させ、事業を持続的に成長させるためにも、根拠に基づいた立地選びをおこないましょう。

出店戦略に役立つ4つのデータと集め方

出店戦略を立てる際は、以下4つのデータが役立ちます。

  • 人口データ
  • 人流データ
  • 競合店のデータ
  • 既存店のデータ

各データの特徴と集め方を解説しますので、出店戦略の立案に生かしてください。
また、データを有効活用するための分析のフレームワークについては、以下の記事で解説しています。

出店戦略に役立つデータその1:人口データ

「人口データ」とは、特定の地域で生活する人々の属性に関する統計情報です。
商圏の人口総数・世帯数・年齢構成など、さまざまな情報が含まれている人口データは、出店候補地に存在する見込み客数の把握やターゲット層と地域特性が合致するかの確認に活用できます。

人口データは、総務省が提供する国勢調査のデータや、商圏分析に役立つGIS(地理情報システム)ツールを利用することで収集可能です。

出店戦略に役立つデータその2:人流データ

「人流データ」とは、人々が移動する流れ(人流)をまとめた情報を指します。

主要道路や駅周辺の通行量、時間帯別の人の動き、移動手段などが含まれるため、出店候補地の通行量や滞在時間の把握に役立ちます。人流データにより、集客力の高い場所を判断可能です。

人流データはさまざまな方法で収集できますが、収集方法によって得られるデータの特徴が異なるため、下の表で確認してください。

《人流データの主な収集方法》

項目 データの取得方法 特徴
GPS スマートフォンや車両の位置情報を取得 特定エリアにおけるターゲットの行動パターンを把握できる
Wi-Fi 店舗や施設のWi-Fiアクセスポイントから、接続端末の位置情報を取得 特定の建物・施設内で、より詳細なデータを取得できる
携帯電話基地局 基地局の電波が届く範囲にある携帯電話の位置情報を取得 広範囲の人流をいつでも収集できる

自店舗で使うデータに合わせて収集方法を選びましょう。なお、今回紹介した他にも収集方法はあります。

人流データの収集方法や地域特性を生かすエリアマーケティングへの活用方法について、詳しくは以下の記事もご覧ください。

出店戦略に役立つデータその3:競合店のデータ

「競合店のデータ」とは、同業他社の店舗に関連する情報です。
競合店の立地・商品の価格帯・営業時間・来店客数といったデータを把握することは、差別化ポイントを発見する際や有利な出店エリアを判断するときに役立ちます。

データを集めるには、以下の方法が有効です。

  • 実際に現地を訪れて観察する
  • 地図アプリで評判を調べる
  • 人流データから来店数を予測する など

出店戦略に役立つデータその4:既存店のデータ

既に数店舗を経営している状態で新規店舗の出店戦略を立てるときには、既存店のデータも役立ちます。
POSデータや顧客データ、来店データなどから、既存店の売上推移や客単価・来店頻度・顧客属性を分析することで、成功しやすい立地や業態の傾向をつかめるためです。

既存店のデータは、成功モデルの再現やリスク回避の貴重な判断材料として、出店戦略に生かせるでしょう。

出店戦略の立案におけるデータの活用例


ここでは、収集した4つのデータを出店戦略に活用する例を2つ提案します。それぞれの活用例を参考にしてデータに基づいた立地選定をおこない、出店戦略を成功させましょう。

データ活用例その1:ドラッグストアの出店戦略

1つ目は、郊外に店舗を展開するドラッグストアチェーンが、子育て世代の多いエリアへの新規出店を検討している場合のデータ活用例です。

出店戦略に必要なデータを集めて分析すると、以下のように活用できます。

集めたデータ 分析内容 活用例
人口データ ターゲットの居住エリア調査 0〜12歳の子ども人口と30〜40代の人口が多いエリアの特定
人流データ 日中における人流の調査 平日の日中に人が多く停滞しているエリアの特定
競合店データ 周辺に位置するドラッグストアの調査
  • 半径1km以内に競合店が3つ以上あるエリアは除外
  • 競合店の品ぞろえや混雑状況から差別化戦略を立案
既存店データ 出店候補地と特性の類似するエリアにある既存店舗の売上、来店客数、平均購入単価の洗い出し 既存店舗の分析結果と照らし合わせ、成功している店舗と同様のエリア特性を持つ出店候補地を優先して選定

それぞれのデータから得た情報をもとに、

  • 30~40代の主婦とその子どもが多く滞在していると判断できる
  • 競合店の影響を受けにくい
  • 既存店の成功要因を取り入れられる

といった条件を満たすエリアを出店候補地に選ぶことで、出店戦略の成功可能性を高められるでしょう。

データ活用例その2:メンズ専門美容室の出店戦略

次は、長年勤めた美容室を退職し、独立して都内にメンズ専門美容室を出店する場合のデータ活用例です。

ターゲットを「身だしなみにこだわるビジネスマン」と設定し、仕事帰りの利用を想定して、出店戦略に必要なデータを収集・分析します。なお、この場合は新規出店であるため、既存店データは含みません。

集めたデータ 分析内容 活用例
人口データ ターゲットの居住エリアを調査 30〜50代男性の人口が多いエリアの特定
人流データ ターゲットが多く集まるエリアを調査 オフィス街・駅周辺で、平日の朝から夜にかけて人流の多いエリアを特定
競合店データ 周辺に位置する美容室を調査
  • 半径2km以内に美容室が10店舗以上存在するエリアは除外
  • 店舗数が多くても「メンズ特化型」の店舗が少ないエリアは出店を検討

分析結果をもとに、

  • 30〜50代男性の人口・人流が多い
  • 競合店の影響を受けにくい、もしくはメンズ特化の美容室が未開拓の市場である

といった項目に当てはまるエリアを出店候補地とすれば、適切な出店戦略を立てられるでしょう。

まとめ:データを活用して出店戦略を成功につなげよう!

  • 出店戦略では、データに基づいた立地選びが欠かせない
  • データをもとにした出店戦略の立案で、リスクを抑えた経営判断が可能
  • 出店戦略には、人口データ・人流データ・競合店のデータ・既存店のデータが役立つ

新規出店で立地を選ぶ際は、地域の需要や競合店の有無・人口動態などをデータで把握し、戦略的な判断をすることが求められます。人々の属性や流れ、競合店・既存店の情報を活用して、最適な出店戦略を立てましょう。

今回解説したデータのうち「集めやすいデータ」を収集することから始め、出店戦略に取り組んでみてはいかがでしょうか。

商圏分析で市場を把握。新規出店の調査がスムーズに。

タグ : データ分析 出店戦略 立地分析 立地戦略
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