店舗マーケティング戦略は3つの視点で立てよう!計画の立て方も解説

店舗マーケティング戦略は、自店舗が置かれた状況や強みを生かし、売上を増やす上で重要な取り組みです。しかし、店舗マーケティング戦略の立て方や実行の手順がわからない方もいるでしょう。
今回は、店舗マーケティング戦略を立てる際に必要な3つの視点や、戦略の立て方から実行までの手順を解説します。店舗マーケティング戦略をおこない、自店舗の売上アップを目指しましょう。
目次
店舗マーケティング戦略とは、売上アップを目指す一連の活動のこと
「店舗マーケティング戦略」とは、店舗の売上を最大化するためにおこなう一連の流れです。例えば、顧客ニーズに合った商品の企画、チラシ配布・SNS運用などのプロモーションなどが含まれます。
「誰にどのような形で商品を販売するか」を明確にして店舗マーケティングに取り組むことで、次のメリットを得られます。
- 顧客との信頼関係を構築できる
- 来店客数が増加する
- リピーターを獲得できる
- 競合店舗との差別化ができる
これらの相乗効果によって売上が増加し、ビジネスで成功をつかめるでしょう。
店舗マーケティング戦略を立てるのに必要な3つの視点
ここでは、店舗マーケティング戦略を立てる際に必要な3つの視点(市場・顧客・自社)について、具体例を取り上げながら詳しく解説します。
店舗マーケティング戦略に必要な視点1:市場
店舗マーケティング戦略を立案するには、まず「市場」に注目する必要があります。市場の視点で店舗マーケティング戦略を立てる際は、以下の項目を分析します。
- エリアの商圏人口
- 住民の年齢構成
- 住民のライフスタイル
- エリアのトレンド
- 競合店舗の業態
- 競合店舗の商品価格帯
- 競合店舗の販促手法
なぜ市場を見ることが重要かというと、自店舗と競合店舗の状況を把握しなければ、顧客ニーズに合う商品やサービスを販売できないためです。
「市場」に注目した分析例
カフェのランチタイムにおける集客を例にして、エリアごとに分析・比較してみます。
今回、エリアの商圏人口・住民の年齢構成・ライフスタイルといった項目について市場調査をおこなったところ、次のことがわかりました。
- オフィス街:主な客層は会社員であるため、平日は多くの利用が見込まれるが、土日祝日の集客は難しくなる
- 住宅街:昼間人口の少ない平日に比べ、土日祝日の利用が多く見込まれる
このように、カフェを出店するエリアによってニーズは異なります。
また、競合店舗の業態や販売されている商品などを分析し、状況を把握することも必要です。コンビニやファストフード店など軽食を販売する店舗がカフェの近くにあると、テイクアウト商品に力を入れても売上アップにつながらない場合があるためです。
上記を踏まえ、市場に注目した分析をおこなうことで、自店舗に合った店舗マーケティング戦略を立てやすくなります。
店舗マーケティング戦略に必要な視点2:顧客
行動傾向やニーズといった顧客視点も、店舗マーケティング戦略の成功に必要なポイントです。顧客視点を分析する際の主な項目を挙げます。
- 主要ターゲット層の年齢
- 性別
- 職業
- 来店頻度と時間帯
- 購買行動
- 来店動機
- リピート率
- 客単価の変化傾向 など
このような顧客の属性や行動傾向などを分析してニーズをつかみ、商品の企画に生かすことは、売上アップにつながるでしょう。
「顧客」に注目した分析例
カフェを例に、ターゲット層ごとに分析・比較します。
主要ターゲット層の職業・来店動機・購買行動といった項目を分析した結果、以下のことがわかりました。
《オフィス街》
- オフィス街:主な客層は会社員であるため、平日は多くの利用が見込まれるが、土日祝日の集客は難しくなる
- 住宅街:昼間人口の少ない平日に比べ、土日祝日の利用が多く見込まれる
《住宅街》
- 主要ターゲット層:ファミリー層
- 顧客ニーズ:ファミリー層が多いため、子ども向けのメニューや家族でゆったり過ごせる空間作りが求められる
こうした、顧客視点での分析をおこなうことは、コンセプトやレイアウト、販売する商品・サービスなどの方向性を決める際に役立ちます。
店舗マーケティング戦略に必要な視点3:自社
店舗マーケティング戦略を考える際には、自社の視点から自店舗の強みと弱みを明確化し、他店舗と差別化できる価値を見つけることも欠かせません。自社の視点が必要な理由は、自店舗の強みや経営資源によって適切な店舗マーケティング戦略が異なるためです。
自社の視点を知るには、以下の項目における自店舗の強みと弱みを分析します。
- 立地・商品力・接客力・価格のバランス
- 競合店舗と差別化できる独自性
- 人材リソース
- 運営体制
- 販促予算
「自社」に注目した分析例
ここでは2タイプの美容室を例に、自社の視点で分析してわかった強みと施策を比較します。
《クオリティ重視の店舗》
- 美容室の特徴:ベテランスタイリストが多く在籍する
- 分析でわかった強み:カットとカラーリングのクオリティが高く、顧客にも好評である
- 施策:高価格帯の施術メニューで競合店舗との差別化を図る
《手軽さ重視の店舗》
- 美容室の特徴:必要最小限のサービスで、競合店舗よりも料金を押さえている
- 分析でわかった強み:余分なサービスがない分、カット時間が短く済む
- 施策:速さを生かし、1,000円カットや予約不要など回転率重視の戦略を打ち出す
自社の視点で分析することで、このように強みを生かした施策を立案できるようになるでしょう。
店舗マーケティング戦略は4ステップで計画しよう
店舗マーケティング戦略は、以下の4ステップで計画します。
- マーケティングの目的を明確にする
- 市場・顧客・自社の現状を分析する
- 分析結果から改善点を見つける
- 施策の実行と振り返り
それぞれの過程ごとに、簡単に解説します。
店舗マーケティング戦略のステップ1:マーケティングの目的を明確にする
店舗マーケティング戦略をおこなうときはまず、目的を明確にすることが重要です。目的が明確でなければ、具体的な施策を決められないためです。
どの客層をターゲットにして、どのような商品をどれだけ販売するのかといった数値目標を明確に設定することにより、マーケティングの方向性が定まり、集客や販促に取り組みやすくなります。
店舗マーケティング戦略のステップ2:市場・顧客・自社の現状を分析する
店舗マーケティング戦略では、「市場・顧客・自社」の視点で適切な分析をおこない、店舗の現状をつかみます。担当者の主観や経験にとらわれず、客観的に分析しましょう。
それぞれの視点による分析で明確にすべき点は、次の3つです。
- 市場:自店舗の市場はどこか
- 顧客:ターゲットは誰か
- 自社:どのような価値を提供すべきか
データ数が少ないと正確な状況の把握が難しいため、仮説を立てて目的に合った分析方法を選び、必要な量の情報を収集して分析をおこないましょう。
店舗マーケティング戦略のステップ3:分析結果から改善点を見つける
市場・顧客・自社の現状を分析した後は、その結果をもとに課題や改善すべき点を見つけ、どのようにして店舗マーケティングに落とし込むか、具体的な施策を考えます。
店舗マーケティング戦略のステップ4:施策の実行と振り返り
施策を立てたら実行に移し、施策の効果を検証しましょう。
- 計画通りに施策を実行できたか
- 立てた仮説は正しかったか
- 店舗の課題を改善できる施策だったか
- 期待した効果を得られたか
おこなった施策が課題の解決につながらなかった場合、ステップ1から店舗マーケティング戦略を実行し直す必要があります。
まとめ:必要な視点と手順を理解し、店舗マーケティングを成功させよう
- 店舗マーケティング戦略に取り組むことで得られるものは多い
- 「市場・顧客・自社」の視点を踏まえることで戦略を立てやすくなる
- 効果的な店舗マーケティング戦略は4ステップで実行できる
店舗マーケティング戦略は、売上アップを目指すためにおこなう一連の活動です。
マーケティング戦略を立てるには、まず目的を明確にして、市場・顧客・自社の現状を分析します。それぞれの視点で分析項目は違うため、目的に合った分析をおこないましょう。分析結果から改善すべき点を見つけたら、施策を立てて実行に移します。最後に効果の検証も忘れないようにしましょう。
何をすべきか迷っている方は、まず自店舗の強みをリストアップし、競合店舗と比較して差別化できそうな部分を探してみましょう。