インストアマーケティングとは店舗が起点の販売促進の考え方!効果や手法を解説

店舗運営 / 集客 , 販売促進
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SNSを使ったオンラインでの販促が一般的になっている昨今ですが、実店舗を起点とする「インストアマーケティング」が見直されています。

インストアマーケティングとは、売り場の顧客におこなう、売上アップを目指すうえで欠かせない取り組みです。

今回は、インストアマーケティングを取り入れるメリットや具体的な手法などを解説します。効果的なインストアマーケティングをおこない、顧客の心をつかんで売上を伸ばしましょう。

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インストアマーケティングとは、店舗を起点に売上アップや販売促進を目指す考え方


「インストアマーケティング」とは、売り場のセールス力を高めるためのマーケティングであり、店舗を起点として売上アップや販売促進を目指す考え方です。

インストアマーケティングを取り入れることで、ネットショップにはない実店舗ならではの価値を提供し、顧客の購買行動を促進できます。

インストアマーケティングの考え方を具体的にした販促戦略が「インストアマーチャンダイジング」で、大きく2つに分かれます。それぞれの手法をまとめたのが下表です。

インストアマーチャンダイジング
インストアプロモーション スペースマネジメント
売り場でおこなう販促手法。顧客に直接アプローチするため、売上アップに直結しやすい。

  1. 価格主導型:一時的に商品の値下げをおこない、購買を促す手法
  2. 非価格主導型:値下げではなく、試食・サンプルの配布や店内広告により購買促進をおこなう手法
動線や商品の陳列棚を調整して、店内を最適化する手法の総称。

  1. シェルフマネジメント:顧客が購入しやすいよう、陳列する商品の個数や配置を戦略的に決めること
  2. スペースアロケーション:顧客の動線を考え、売り場全体のレイアウトを変更すること

インストアマーケティングの手法を組み合わせておこない、販売促進と売上アップを目指しましょう。

インストアマーケティングの目的は「売上の最大化」

インストアマーケティングの目的は、売り場を整備して顧客の購買行動を促進し、売上の最大化を図ることです。また、店舗のイメージや顧客満足度を高め、リピート率を上げることも目的としています。

インストアマーケティングを適切におこなえば、以下の効果が期待できるでしょう。

  • 新商品や認知度の低い商品をアピールし、顧客の購買意欲を高められる
  • スペースマネジメントをおこなって店内を整備することで、販売動線を最適化できる
  • 実物を見て、触れて、試せるという実店舗の強みを生かして、優れた顧客体験を提供できる

より良い顧客体験を与えることは、顧客の購買意欲を高めて客単価の増加につながり、顧客体験の向上につながるため、売上の最大化という目的に近づけるでしょう。

インストアマーケティングをおこなう3つのメリット


インストアマーケティングをおこなうと、3つのメリットがあります。

  1. 顧客ロイヤリティが高まる
  2. オフラインでの接点を作れる
  3. 顧客データを活用できる

インストアマーケティングによって、なぜこれらのメリットを得られるのか、それぞれ簡単に解説します。

メリット1:顧客ロイヤリティが高まる

インストアマーケティングをおこなって得られるメリットは、顧客ロイヤリティが高まることです。「顧客ロイヤリティ」とは、店舗・ブランド・商品に対して顧客が感じている愛着や信頼の大きさを意味します。

実店舗で顧客に直接販促することで、顧客ロイヤリティの向上が期待できます。

顧客ロイヤリティが高まると、顧客は商品や店舗に愛着を持ち、ファンとなります。自店舗が顧客の「推し店舗」になれば、来店頻度の増加やリピート利用が見込めるでしょう。

さらに、ファン化した顧客がSNS上での口コミや知人への紹介などをしてくれるようになると、新規顧客の獲得チャンスが増える効果も期待できます。

メリット2:オフラインでの接点を作れる

インストアマーケティングをおこなうと、オフラインでの顧客接点を作れることもメリットです。顧客に直接商品の提案やサービスの提供、オンラインでは難しい、実物を試してもらうプロモーションなども可能であるためです。

また、オフラインの接点を持つことで、顧客のリアルを知ることができます。

その場で商品に対する感想を聞き、具体的なリアクションを目にすることで、顧客の趣味嗜好や潜在的なニーズなど、販売戦略の立案に役立つ情報を得られるでしょう。

メリット3:顧客データを活用できる

インストアマーケティングによって得た顧客データは、売上を上げる戦略に活用できます。店舗でID-POSレジを使用している場合、収集した顧客データからターゲット層の分析が可能です。

分析結果を利用すれば、顧客のニーズを把握したうえで、購買行動や満足度を高める施策を実施しやすくなるため、メリットの1つといえるでしょう。

インストアマーケティングの手法5選


ここでは、インストアマーケティングでよく用いられる4つの手法を簡単に解説します。

  • POP
  • 棚割り
  • 店内の動線設計
  • 香り・音楽
  • デジタルサイネージ

今回取り上げる手法はあくまで一部です。インストアマーケティングには多くの手法があるため、自店舗の状況に合わせて活用しましょう。

インストアマーケティングの手法1:POP

インストアマーケティングの手法としてはじめに紹介するのは、POPを用いた販促活動です。
POPといえば商品名と値段を記載したものが一般的ですが、商品の魅力を伝える目的で売り場に設置する広告もあります。

POPを活用することで、顧客に商品の訴求ポイントや割引キャンペーンなどを効果的に伝えられるでしょう。顧客に商品の良さをアピールしやすくなるため、購入を後押しできます。

インストアマーケティングの手法2:棚割り

棚割りの工夫や改善も、インストアマーケティングでよくおこなわれます。「棚割り」とは、売り場の棚ごとに商品の陳列方法を考え、売上の最大化を目指すことです。

棚割り次第で商品の見つけやすさや取りやすさが変わるため、顧客の購買意欲を高めるには欠かせない手法です。

《棚割りに関する用語》

  • フェイシング:一目で商品の特徴がわかるように並べること
  • グルーピング:関連性の高い商品を同じ場所に並べ、顧客に認識させやすくすること
  • ゾーニング:種類・サイズなどで商品を分類してそれぞれのコーナーに並べ、店内構造を明らかにすること

この3点を意識した棚割りをおこないましょう。

インストアマーケティングの手法3:店内の導線設計

店内の導線設計もインストアマーケティングの1つです。

「店内の導線設計」とは、顧客の動きを意識して商品のレイアウトを決めることで、「フロアマネジメント」とも呼ばれます。棚割りと同様に、買い物しやすい売り場作りをするうえで重要です。

店内の導線設計では、顧客に売り場全体を見てもらえるような経路を考えましょう。顧客が店内に長く滞在するほど商品の購入機会が増え、売上アップにつながるためです。

インストアマーケティングの手法4:香り・音楽

インストアマーケティングには、香りや音楽を活用した手法もあります。香りや音楽を用いて心地よい店内空間を演出できれば、イメージアップやリピート率増加が見込めます。

香りを活用したインストアマーケティングで一般的な手法は「テスター」です。芳香剤や柔軟剤のテスターによって、顧客に商品の香りを体験してもらい、購入を促します。
一方、音楽を使った一般的な手法は店内BGMでしょう。店舗に合うジャンルの曲を選ぶことで、顧客の滞在時間を延ばし、購買価格にも影響を与えられます。

回転率を上げたい店舗はハイテンポな曲を、反対に、顧客にゆっくり店内を巡回してほしい店舗やくつろぎの時間を提供したい店舗は、落ちついた曲を選ぶとよいでしょう。

インストアマーケティングの手法5:デジタルサイネージ

インストアマーケティングでは、ディスプレイを使って情報を発信するデジタルサイネージの活用も有効です。
レジの周りや店頭に画像・動画を使った広告を流すことで、顧客の購買意欲を促進できます。

また、カメラに顔認証システムが搭載されたデジタルサイネージを導入すれば、顧客の年齢や性別のほか、広告を視聴した時間や時間帯などを計測可能です。

デジタルサイネージで収集したデータをもとに、広告の内容や施策の見直しを図れるでしょう。

まとめ:考え方や手法を理解し、店舗に合ったインストアマーケティングを実施しよう

  • インストアマーケティングは、店頭でおこなう売上アップや販促を目指す戦略
  • 顧客ロイヤリティの向上やオフラインでの接点増加などが見込める
  • インストアマーケティングには大きく分けて2つの手法がある

インストアマーケティングは、店舗に合う販売促進をおこない、売上を増やすための考え方です。インストアマーケティングの考え方を具体化したものが、インストアマーチャンダイジングで、さらにインストアプロモーションとスペースマネジメントに分かれます。

インストアマーケティングのメリットは、顧客とのオフラインでの接点を増やせること、顧客ロイヤリティを高められること、売り場作りに顧客データを活用できることです。

インストアマーケティングには、POPの設置や棚割りなど、今回紹介した以外にも多くの手法があります。自店舗の状況に合わせて適切な手法を選びましょう。

自店舗の状況に応じた施策を見つけるには、データ分析が効果的です。どこから手をつけるべきか迷っている人は、まず自店舗の顧客データなどを分析して、顧客の特徴をつかむことから始めてみましょう。

客層の変化に気づいたら 既存店の商圏分析に

タグ : インストアマーケティング 店舗運営 販促手法
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