郊外にあるロードサイド店舗とは?適した業種や選ぶポイントを紹介

出店戦略 , 店舗開発 , 立地分析
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店舗の出店形態の一つに、ロードサイド店舗があります。しかし、ロードサイド店舗とはどのような店舗なのか、他の出店形態と比べて何が違うのかが分からない方も多いのではないでしょうか。

今回はロードサイド店舗の概要や特徴、適している業態、店舗選びのポイントなどを解説します。

この記事で自店がロードサイド店舗に適しているかを把握し、適切な出店方法を選択して店舗開発につなげていきましょう。

商圏分析で市場を把握。新規出店の調査がスムーズに。

ロードサイド店舗は郊外の道路沿いにある店舗

「ロードサイド店舗」は郊外の生活道路や幹線道路に面している店舗を意味します。

車両の交通量が多く、車やバイクでアクセスする顧客が中心であるため、駐車場を完備した平屋建ての店舗が多いです。また、大通り沿いに位置するため、走行中の車でも離れた場所から認識しやすいように、ポール看板やのぼり旗などの販促物を設置して視認性を高めています。

基本的には郊外エリアの幹線道路などを指すため、都市部の道路沿いにある店舗はロードサイド店舗とは呼びません。

郊外店とは違う?

「ロードサイド店舗が郊外の道路に面している店舗なら、郊外店とは何が違うの?」と思う人もいるでしょう。ロードサイド店舗と郊外店は似ていますが、定義は異なります。

ロードサイド店舗「郊外の生活道路や幹線道路に面した店舗」であるのに対し、
郊外店とは「都市部から離れた市街地や田園地域といった、郊外に出店している店舗」を指します。

郊外店は必ずしも道路沿いにあるとは限らない点が、ロードサイド店舗との違いです。

ロードサイド店舗の特徴と適した業態


ここでは、ロードサイド店舗の特徴と、適した業態について解説します。

自店の出店形態を決める際に注目すべきポイントであるため、しっかりと確認しましょう。

ロードサイド店舗の主な特徴は商圏が広いこと

ロードサイド店舗の主な特徴は、交通量の多い道路沿いに位置しているため、車の移動範囲を基準とした商圏になることです。

また、メインの商圏は自動車で10〜15分程度の範囲となります。沿線であるため、生活圏内を超えた遠方からの来店も見込まれるでしょう。

ターゲットとなる客層、若者から高齢者まで幅広いことも、ロードサイド店舗の特徴です。そのほか、独立した土地であれば店舗の外装や内装空間を自由に設計でき、個性的で魅力あふれる店舗作りにつなげられるでしょう。

競合の多さや初期費用の高さに注意が必要

ロードサイド店舗は、商圏の広さが強みである反面、競合の店舗数の多さがデメリットにもなり得ます。店舗選びが適切でない場合、自店にターゲットを集められず、店舗展開に失敗してしまうリスクもあるため注意が必要です。

また、既存の建物を賃貸する場合は取得費用、新たに不動産を建築する場合は建築費用を確保しなければなりません。都心の商店街などにある店舗と比較すると、敷地が広いため店舗面積も大きくなる場合が多いでしょう。希望する地区や建物によっては、高額な初期費用が必要です。

ロードサイド店舗に限った話ではありませんが、あらかじめ競合店の数や必要な初期費用について予測しておき、計画的に対策を取ることが欠かせません。居抜き物件を活用すれば、前のテナントが使っていた設備を利用でき、初期費用を抑えられる場合もあるでしょう。

出店予定店舗の競合分析が可能なマーケティングツールは、こちらで紹介しています。

ロードサイド店舗に適した業態

ロードサイド店舗は商圏に設定できる範囲が広いため、さまざまな業態で出店可能であり、業種・業態に合わせたターゲット層が集客できるでしょう。交通量の多さから1日を通して集客できるため、長時間の営業に適しているといえます。

また、土地面積が広く、品ぞろえを充実させられることが特徴です。面積が広いロードサイド店舗の場合、大型商品を保管できることから、大型専門店などの出店も多く見られます。

飲食店やホームセンター、ドラッグストアなど、さまざまな業種の大型店舗が多いです。

飲食店を開業する場合はカジュアルな店舗がおすすめ

飲食店を開業する場合には、ファミリー層向けのカジュアルな店舗が適しているでしょう。車に乗りながら店舗を選ぶ状況が多くなるため、視認性の高さや業態・サービス内容の分かりやすさ、ターゲットからの受け入れられやすさなどが求められます。

特に、店舗の視認性は集客に大きく影響するため、外装や看板などを活用してコンセプトをアピールすることがポイントです。

ロードサイド店舗を選ぶときのポイント

ロードサイド店舗を出店しようとするときに選ぶポイントとして、次の3つが挙げられます。

  • 視認性の高さ
  • 駐車場の入りやすさ
  • 競合範囲の広さ

これから解説するポイントの詳細を押さえて、店舗選びに生かしましょう。

ポイント1:視認性の高さ

ロードサイド店舗を利用する顧客は車の走行中に入店を決める場合がほとんどです。目を引くポール看板などで出店後すぐに認知されやすく、新規顧客を集めやすいこともロードサイド店舗の特徴といえます。

走行中の車から見て店舗がどんな業種なのか、何を提供しているのかなどを分かりやすくするためには「視認性の高さ」が欠かせません。

走行中の車内から店舗を見つけられるかがポイント

走行中の車内で、道路の双方向から店舗が見える立地であるかをよく確認し、入店を検討しやすい位置にすある物件を選ぶことがポイントです。

また、走行中だけでなく、信号待ちなどの停止中に店舗を見る運転手も多いため、信号付近から見たときの視認性を確認すると、さらに良い物件かどうかを判断できます。

例えば、交差点付近の場合、角から2〜3軒先の物件がおすすめです。店舗が交差点から少し先の場所にあれば、顧客は信号待ちの間に入店を検討できるため、来店の可能性も増えるでしょう。

ポイント2:駐車場の入りやすさ

ロードサイド店舗は車での来店がメインの来店方法となるため、駐車場の広さや台数、入りやすさが集客に繋がります。特に、道路側からの入りやすさが重要になるため、駐車場への出入口をよく確認することが大切です。

店舗の位置は分かっても、駐車場が認識しにくく入りづらいと、集客率は低くなり売上を最大化できません。

走行中の車内から駐車場を見つけられるかがポイント

駐車場が店舗の奥にある場合、駐車場の位置をアピールできる看板を用意するなどの方法で、顧客を誘い込みやすくなるでしょう。

駐車場が店舗の手前にある場合は、どのような店舗なのか、店内のイメージが分かるようなデザイン性の高い看板を設置すると効果的です。

ポイント3:競合範囲の広さ

ロードサイド店舗は車で移動する層がターゲットであるため、街中の店舗よりも広い範囲を商圏として設定できます。

ロードサイド店舗の出店時における商圏調査では広い範囲の競合店を調査することが前提であり、自社商品やコンセプトと被っている店舗がないかをよく調べるエリアマーケティングが必須です。

ターゲットの世帯数や商業施設の有無も確認しておこう

他に重要で、かつ具体的な分析・調査項目として

  • 車での移動時間◯分以内にターゲットが何世帯いるか
  • ターゲットが類似していて、集客の上で相乗効果が期待できる商業施設の有無

なども挙げられます。

店舗同士の相乗効果を狙える業態には、
例えば「病院と調剤薬局」「ゴルフ場とゴルフグッズ販売店」などがあります。

遠方から来るユーザーに配慮した出店形態も効果的

また、遠方から買い物に来たユーザーーに対しての給油や洗車、整備を提供するのであれば「大型ショッピングセンターとガソリンスタンド」、飲食店の待ち時間の暇つぶしや、買い物帰りの食事などを促す場合はのであれば「ホームセンターと飲食店」などの組み合わせも効果的です。

出店前にデータを使った定量的な分析は必須!

各地域によって特徴が異なるため、出店地周辺の特性をデータで確認すること、つまり商圏調査が欠かせません。

もし出店戦略において不安がある場合は、ロードサイドに出店された過去の事例を参考にしたり、ノウハウを持っているコンサルタントやエリアマーケティング専門の企業などに相談したりすることも検討すると良いでしょう。

商圏調査・出店戦略用ツールは以下のページで紹介しています。

まとめ:ロードサイド店舗に適した店舗形態で出店を成功させよう

  • ロードサイド店舗とは、郊外の道路沿いにある店舗
  • 車での来店が多く、さまざまな業種で出店可能
  • 店舗選びのコツを押さえて出店することがポイント

ロードサイド店舗とは郊外の生活道路や幹線道路に面している店舗であり、郊外店とは定義が異なります。郊外店は都市部から離れた郊外に立地している店舗を指し、道路に面しているとは限らないため、違いを押さえておきましょう。

車による来店を想定しているロードサイド店舗は、商圏を広範囲に設定できることからターゲット層を広く取れる特徴があります。どのような業種でも出店しやすいことがメリットといえます。

店舗を選ぶ際は、視認性の高さや駐車場の入りやすさ、競合範囲の広さを必ず調査し、出店後の経営の成功につなげましょう。

商圏分析で市場を把握。新規出店の調査がスムーズに。

タグ : ロードサイド 出店 出店戦略 郊外 郊外出店 郊外立地
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