商圏の範囲は車で何分?業態別の目安距離一覧と商圏設定のメリット

「新規出店を検討しているが、商圏の範囲はどう設定すればいいのかわからない」「コンビニとスーパーでは、どれくらい距離が違うのか」と悩んでいる方は多いのではないでしょうか。
商圏の範囲は業態によって大きく異なり、適切に設定できなければ、売上予測や販促計画の精度が下がる恐れがあります。
本記事では、コンビニ・スーパー・飲食店など業態別の商圏距離と移動時間の目安を一覧表で紹介し、実務で使える商圏範囲の考え方を解説します。
まずは結論から確認したい方のために、業態別の商圏距離・時間の早見表をご覧ください。
| カテゴリー | 業態 | 一次商圏の目安 (距離) |
移動手段・時間の目安 |
|---|---|---|---|
| 最寄品 (日常品) |
コンビニ | 350m 〜 500m | 徒歩5分圏内 |
| スーパー | 1km 〜 2km | 自転車10分圏内 | |
| ドラッグストア | 1km 〜 2km | 自転車10分圏内 | |
| 買回品 (比較検討) |
アパレル・家電 | 3km 〜 10km | 車15〜30分圏内 |
| ホームセンター | 5km 〜 8km | 車15〜20分圏内 | |
| 飲食店 | カフェ (駅前型) |
500m 〜 1km | 徒歩10分圏内 |
| ファミレス (ロードサイド型) |
3km 〜 5km | 車10〜15分圏内 |
上の表を見ると、業態によって商圏の範囲が大きく異なることがわかります。それでは、商圏範囲の基本的な考え方から詳しく解説します。
目次
商圏分析を行うには範囲の設定が重要
商圏とは、自社・店舗を利用する可能性が高い顧客が暮らす範囲を指すマーケティング用語です。
商圏範囲を利用して人口や世帯、生活形態や交通量、施設などのさなざまな定量データを調査・収集し、分析する「商圏分析」はビジネスの成功を支える重要な要素となります。
商圏分析によって商圏内の地域特性を把握すれば、それぞれの地域に合ったマーケティングがおこなえるでしょう。
そのためはまず、自社の商圏がどこまでなのかを正しく把握し、社内で共有する必要があります。
商圏範囲を設定する3つのメリット

商圏範囲の設定は経営方針や店舗開発に有益なデータをもたらし、自社の発展を促す材料になります。ここでは実際にどのような分析、開発に商圏範囲が活用されるのかを解説します。
商圏範囲を設定することで得られるメリットを学んで、エリアマーケティングに活かしましょう。
商圏範囲を設定するメリット1:販促が必要なエリアの絞り込みができる
商圏範囲を正しく設定すると、販促が必要なエリアを絞り込みやすくなります。
チラシやキャンペーン告知、ポイントカードの発行といった集客のための販促はコストがかかります。限りあるコストを無駄にしないためには、効果が見込まれる地域へ販促活動をおこなうことが重要です。しかし、自分の店舗や会社の周辺に何があってどんな人が住んでいるのか分からなければエリアの絞り込みも難しいでしょう。
商圏範囲を設定し分析をおこなえば、範囲内の地域別特性がはっきりとします。
その結果、「住宅街が範囲内にあるからチラシを配ろう」「商圏範囲の世帯は家族連れのお客様が多いからセールは週末の方が良い」など、販促を正しく行うための具体的な戦略が見えてくるのです。
商圏範囲を設定するメリット2:店舗開発の判断がしやすい
会社を成長させるには、支店や2店舗目以降の出店が欠かせません。そんなときも商圏範囲の設定は大いに役立ちます。
たとえば、新しい店をオープンするときには、いくつかの出店候補地・候補物件が挙げられるでしょう。
立地は店舗の業績に大きく関わるため、出店/開業エリアは慎重に決めなければなりません。しかし、候補地周辺の様子が分からなければ選びようがありません。そんなとき、それぞれの商圏範囲を設定し、商圏のデータを比べることで「より人口が多く、利用者が集まりやすいのはどちらか」が判断しやすくなるのです。
また、近隣に自社の別店舗があった場合に発生するカニバリゼーション(自社競合)もあらかじめ商圏範囲を設定しておけば避けやすくなるでしょう。
商圏範囲を設定するメリット3:顧客データ分析に役立つ
商圏範囲の設定は距離や立地だけではなく、そこに暮らす人々の分析にも欠かせません。商圏内に暮らす人の特徴をデータ化すると、顧客データ分析が効率的におこなえるようになります。
また、商圏内に暮らす人の中でも割合が多い層にターゲットを合わせれば、効率的な商品開発や販促が行えるでしょう。「誰に」「何を」「どのタイミングで」売るかという商売の基本は商圏範囲を設定して、はじめてはっきりと見えてくるのです。
商圏分析には商圏範囲の設定が欠かせない

商圏分析のデータを、自社のターゲット分析や販促エリアの選定、出店地分析などに活かすには、「商圏範囲の設定」が欠かせません。
商圏範囲の設定を行うには、まず自店から「一次商圏は周囲〇km」「一次商圏は徒歩〇分以内」といったように、”商圏の範囲”を決める必要があります。
しかし、商圏の距離は一律で何kmと決まっているわけではありません。
日用品や軽食を扱う店舗は商圏が狭く、希少性が高くて高単価なものは商圏が広くなる傾向があります。商圏範囲を設定するときには自社の扱っている商品やサービスについて、平均的な商圏距離はどの程度なのかを調べてましょう。
エリアマーケティングGISのTerraMapシリーズでは、商圏範囲を設定できる機能により、自店舗が狙うべきエリアを効率的に割り出せます。
商圏範囲の種類(足元商圏・一次商圏・二次商圏・三次商圏)

エリアマーケティングで使われる商圏には、大きく分けて4種類の範囲が存在します。範囲は店舗からの距離で区別され、それぞれに来店頻度や交通手段などの特色があります。エリアマーケティングでスムーズな分析ができるように、4つの商圏範囲について概要をチェックしておきましょう。
足元商圏
足元商圏は、店舗や会社がある場所から5分程度で移動できる商圏範囲を指します。利用客がストレスを感じずに来店できる距離であるのと同時に、範囲内に競合が少なくシェア率向上しやすい商圏なのでエリアマーケティングには欠かせません。
スーパーやコンビニ、駅前の飲食店などの徒歩で来店する利用者が多い業種では重要な商圏ですが、電車や車での利用が多い業種によっては一次商圏の範囲と同一視される場合もあります。
一次商圏
一次商圏とは、お客様・サービスの利用者様が店舗や会社に到着するまでに10分〜15分程度かかる範囲の商圏を指し、「最寄品商圏」とも呼ばれます。
移動手段によって距離は異なりますが、徒歩の場合はおおよそ800m〜1.2km程の距離となります。
商圏は遠ざかれば遠ざかるほど利用者数が減少する傾向にあるので、一次商圏はシェアアップの重要な鍵となり、この範囲の人口が多い方がシェアアップの確率も高まります。
二次商圏
二次商圏は「中間品商圏」とも呼ばれ、利用者が週2、3回来店する可能性がある商圏範囲です。
二次商圏の範囲は業種によって差が大きいのですが、目安としては自転車で10〜15分程度から車で10分〜15分程度の範囲となります。距離に換算すると3km〜10km程度でしょう。範囲内に河川や線路など移動を阻害するものがあったり、競合他社があったりすると範囲が狭まる可能性があります。
三次商圏
三次商圏は利用者が月に数回程度利用する可能性がある商圏範囲で「専門店商圏」とも呼ばれます。商圏の中ではかなり広範囲を指し、車や電車で30〜40分以上目安となっています。日用的に利用する業種では恒常的なシェアアップには繋がりにくい商圏ですが、希少性、専門性が高い業種では顧客を確保するのに綿密なエリアマーケティングが求められます。

【業態別】商圏範囲(距離・時間)の目安
ここでは業態別の一般的な商圏範囲について、距離と移動時間を解説します。
自店舗のターゲット層や立地条件と照らし合わせながら、適切な商圏範囲を設定する際の参考にしてください。
なお、日用品や軽食を扱う店舗は商圏が狭く、希少性が高くて高単価なものは商圏が広くなる傾向があります。
最寄品(コンビニ・スーパー・ドラッグストア)
最寄品とは、食品や日用品など、日常的に利用する商品を指します。購入頻度が高く、わざわざ遠くまで買いに行く必要がないため、商圏は狭くなる傾向です。
《コンビニ》
- 一次商圏:徒歩5分圏内(350〜500m)
- 特徴:「すぐに買える」利便性が重視されるため、商圏は最も狭い
- ターゲット:近隣住民、オフィスワーカー、通学者
- 来店頻度:ほぼ毎日〜週数回
《スーパー》
- 一次商圏:自転車で10分圏内(1〜2km)
- 特徴:食品のまとめ買いが中心で、週に数回程度の来店頻度
- ターゲット:主婦層、ファミリー世帯
- 来店頻度:週2〜3回
《ドラッグストア》
- 一次商圏:自転車で10分圏内(1〜2km)
- 特徴:医薬品や日用品の購入が中心で、スーパーと同程度の商圏
- ターゲット:主婦層、高齢者層
- 来店頻度:週1〜2回
買回品(アパレル・家電・ホームセンター)
買回品とは、価格や品質を比較検討してから購入する商品です。購入頻度は低いものの、顧客は複数の店舗を回って検討するため、商圏は広くなります。
《アパレル・家電》
- 一次商圏: 車で15〜30分圏内(3〜10km)
- 特徴:郊外型の大型店舗が多く、駐車場の有無が来店に大きく影響する
- ターゲット:車を持つファミリー層、若年層
- 来店頻度:月1〜2回
《ホームセンター》
- 一次商圏:車で15〜20分圏内(5〜8km)
- 特徴:DIY用品や園芸用品など、大きな商品を購入するため車での来店が前提
- ターゲット:持ち家世帯、DIY趣味層
- 来店頻度:月1〜数回
飲食店(カフェ・ファミレス)
飲食店の商圏は、立地条件によって大きく変わります。「駅前型」と「ロードサイド型」では、ターゲット層も商圏範囲も異なるため、それぞれの特性を理解することが重要です。
《駅前型(カフェ・ファーストフード等)》
- 一次商圏:徒歩10分圏内(500m〜1km)
- 特徴:通勤・通学の動線上にあるため、徒歩圏が勝負
- ターゲット:通勤者、学生、近隣住民
- 来店頻度:週数回
《ロードサイド型(ファミレス・焼肉店等)》
- 一次商圏:車で10〜15分圏内(3〜5km)
- 特徴:駐車場への入りやすさと視認性が重要
- ターゲット:ファミリー層、カップル
- 来店頻度:月1〜数回
業態ごとの商圏範囲を理解することで、出店戦略や販促計画の精度を高められます。
商圏の範囲を正確に決めるポイント
ここまで業態別の商圏距離を紹介しましたが、実務では「半径◯km」という単純な円では正確な商圏を設定できません。
地図上にコンパスで円を描く「同心円商圏」は視覚的にわかりやすいものの、実際の商圏は河川や線路による分断、幹線道路の渋滞、地形の起伏などによって歪むためです。
より精度の高い商圏分析をおこなうには、実際の道路網に沿って「車や徒歩で何分到達できるか」を算出する「移動時間を軸にした商圏」の設定が推奨されます。道路の混雑状況や信号の数も考慮できるため、実際の来店可能性を反映した商圏設定が可能です。
マップマーケティングが提供する「TerraMap(テラマップ)」では、道路ネットワークに沿った商圏設定が可能で、車・徒歩・自転車の移動手段別に商圏を設定できます。興味のある方はこちらをご覧ください。
正確な商圏範囲を設定することで、出店戦略や販促計画の精度を高め、無駄なコストを削減できるでしょう。
まとめ:業態別の商圏距離を把握し、正確な商圏の分析を
- 商圏の範囲は業態によって大きく異なる
- 同心円ではなく、道路ネットワークに沿った「時間圏商圏」の設定が推奨される
- 商圏範囲の正確な設定は、販促エリアの絞り込み、店舗開発の判断、顧客データ分析に役立つ
商圏の設定は、実店舗が売上を上げるために必要な概念の一つです。
商圏分析を行うための商圏範囲の設定は簡単に「ここからここまで」と設定できるものではありません。範囲を定めるには自社の提供している商圏・サービスを見直し、それに合った種類の商圏距離を見極める必要があります。
正しい商圏範囲を設定できれば販促や店舗開発、顧客データ分析に役立つ強い要素となるので、業績アップを目指すならまずは正しい商圏範囲の設定から始めましょう。




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