【基礎編】顧客データの定義とは?収集方法と注意点までご紹介

顧客・データ分析
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新規顧客の開拓や顧客満足度の向上という課題に直面したとき、「顧客データ」による分析を活用する企業は少なくありません。しかし、初めて顧客データ分析をする人にとっては、それがどんな情報をまとめたものなのか、何を参考しにしたらいいかなど疑問が多いでしょう。

顧客データは正しく扱えば顧客の意識を読み取り、より満足度が高いサービスを提供できるようになる非常に有益な情報です。そこで今回は、はじめて顧客データ分析に乗り出す人向けに、顧客データの定義や収集方法、扱い時の注意点を解説していきます。

「顧客データ」にはどのようなデータが含まれるか

顧客データとは、インターネットや郵送物などを利用して顧客が直接企業に提供した個人情報を指しています。データのカテゴリーは幅広く、氏名や年齢、誕生日、住所などのプライバシー情報はもちろん、顧客の商品購入履歴や契約内容、問い合わせ、クレーム内容も顧客データに含まれます。

それらの顧客データは一般的に「定量データ」と「定性データ」の2種類に分類されます。どちらもマーケティングには欠かせない情報なので、まずはどの情報がどちらのデータに分類されるのかを学びましょう。

定量データ

「定量データ」とは、顧客データの中でも何らかの形で数値として表せるデータを指します。分かりやすい例でいえば、性別や年齢、住所、家族構成、結婚歴、購入した商品の傾向などが定量データと呼ばれるものです。年齢や性別は比較的数値化しやすいデータですが、ばらつきがある住所や家族構成は数値化できるのかと疑問に感じる人もいるでしょう。

膨大なデータ量から統計を取る定量データは、主にマーケティングなどに活用されます。
そのため、住所や家族構成などの数値化しにくいデータであっても統計によって「○○県の核家族構成は70%程度」「二世帯同居をしている顧客の割合は○○%」といったデータが生み出せるのです。ご紹介したような定量データは顧客の行動パターンや傾向把握には役立ちますが、顧客個人への深い分析には使いづらいという特徴があります。

定性データ

「定性データ」とは、主に自然言語で表された数値化することが困難な顧客データを指します。例えば顧客からの問い合わせ、商談の内容やヒアリング事項、SNSの口コミやクレームなど否定形型のデータがこれにあたります。定性データは定量データに比べ、簡易的な統計分析に使いにくいという特徴があります。

しかし、それぞれのデータを分析することで顧客が製品を利用して感じた評価や改善してほしい点などを洞察できるためより深い顧客分析が可能となります。とはいえデータを収集する個人の主観が影響しやすいという側面から、データの使い方については慎重になる必要があるでしょう。

顧客データの取得、整理をする方法


マーケティングに欠かせない顧客データですが、どのような方法で取得・整理すると効率的に扱えるのでしょうか。
定量データと定性データはその性質上、取得方法が異なります。
それぞれをどこから集めるのかをチェックして、欲しい情報をスムーズに手に入れましょう。

定量データの取得方法

定量データは顧客登録やアンケートなどから取得できます。従来のアンケートでは訪問による調査、電話や郵送による調査が多く活用されていましたが、インターネットが一般に浸透している現代ではネット調査によって短時間で大量の定量データが取得できるようになっています。

定量データの取得・整理については自社で独自に調査を行う方法以外にも、統計データを販売している企業を活用するという方法も挙げられます。例えばCCC社はTポイントカードの会員情報とTポイントカードで購入した商品を関連付けた独自のビッグデータを構築・提供しています。

その他にも、マップマーケティング社は地図によるマーケティングという趣旨の通り、町・丁目などのエリアごとにそこに暮らす人々の年収や世帯構成をデータ化し商圏分析データとして提供しています。自社で定量データを収集し分析するノウハウがない場合には、このような販売企業を活用してマーケティングに役立つデータを集めるのも効率的な方法と言えるでしょう。

定性データの取得方法

定性データは主にアンケートや口コミサイト、レビューなどで取得できます。多くの人々がインターネットに触れている現在では、公的なレビューサイト以外でもSNSやブログなど、定性データを収集できる場所が増加しています。

自社のサービス内容がどの年齢層をターゲットにしているのかを分析し、その年齢層が利用しているSNSをリサーチすることで効率的な定性データ収集がおこなえるでしょう。
また、フィールドマーケティングを扱っている企業に依頼すれば、分かりやすく整理された定性データを手に入れることも可能です。

顧客データを収集する際の注意点

顧客データはマーケティングの重要な材料ですが、同時に顧客の個人情報でもあります。扱い方を間違えると、無駄に作業工数がかかってしまったり、企業の信用問題に関わったりする可能性もあるのです。
ここでは、顧客データの扱いについて気をつけなければならない注意点を4つ解説します。
顧客のプライバシーを預かっているという自覚を持って顧客データを有効活用しましょう。

データの保管方法

顧客データはプライバシー情報です。万が一流出してしまうと、責任問題に問われるだけではなく数多くの顧客をトラブルに巻き込む恐れがあるので、データの保管方法には細心の注意を払わなければなりません。

顧客データを保管しているシステムへのアクセスは社内ネットワーク以外でおこなえないようにし、定期的にIDやパスワードを変更しましょう。ウイルスやハッキングなどからデータを守るためにセキュリティソフトを導入するのもおすすめです。

データの入力方法がバラバラ

顧客データの入力方法がバラバラになると整理する際に正しい数値が現れず、マーケティングに活かせるデータとして扱えなくなります。顧客データ入力の際には、半角・全角やスペースのルールを徹底し、表記ゆれを防ぎましょう。また、顧客データ記載するデータの内、どの情報を必須項目とするかもあらかじめ決めておくことで精度の高いデータを構築できるようになります。

契約関連の場合、必須項目は「ヒアリング事項」「契約確度」など、
ECサービスや製品販売の場合は「購買履歴」など、提供しているサービスの内容に合わせて設定しましょう。

データの共有有無

定性・定量どちらの顧客データも、企業の方向性や事業計画を左右する非常に重要な材料となります。安易に末端までデータ共有してしまうと、流出の危険が増すだけではなく経営方針のブレが生まれる恐れもあります。

重要な情報だからこそ、データをどの範囲まで共有するか、どのように活用するかなどを明確にし、厳密な管理下で取得・分析利用してください。

優良顧客かどうかを見極めるための情報がなにか決まっていない

幅広い購買層に対して顧客データを収集するのは大切なマーケティング戦略の一つです。
しかし、やみくもに広範囲のデータを集めるのはコスト的にも時間的にも効率が良いとはいえません。顧客データによる分析は企業にとっての優良顧客を見極め、事業の発展に活かしてこそ生きるものなのです。

顧客データを集めるときには、まず自社に対して利益をもたらす優良顧客とはどのような層なのかを人物像を設定し、その有力顧客を探し出すために「集めるデータの内容」や「データ収集方法」を絞り込んでいきましょう。

まとめ:顧客データは有効な反面取り扱いにも注意!

顧客データは氏名住所などの基礎情報からその顧客の趣味嗜好、考え方まで洞察できるマーケティングに欠かせない情報です。顧客データに基づいたマーケティングを精密に行えば今現在自社を利用している顧客の満足度向上はもちろん、自社の製品を求めている見込み顧客や潜在顧客の発掘にも効果を発揮するでしょう。

顧客データを扱う際には、顧客のプライバシーを預かっているという自覚を強く持ち、管理を徹底してマーケティングに活用しましょう。

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